
ちょうど3年前、私は両親が株式投資をしていたので30歳になる前に初めて見ることにした。
この3年間沢山の事を学ぶ事が出来たので、体験談みたいな感じで書いていきたいと思う。これから株式投資をやる人にこの体験が少しでも参考になればいいなと思います。
目次
初陣

証券会社に口座を作り、余裕資金から投資用のお金を入金し、華々しい投資家としてデビューしようと意気込んでいたのは覚えている。
きっと私だけではないだろう、「1年後俺の資産は10倍になっているはず!」とか思いながらとても浮かれていたころだろう。
今思えばこの頃の自分は沢山の事に勉強不足であったと私は思う。
とりあえず株を買ってみたいという一心で全く見てもチンプンカンプンなチャートを眺め、雰囲気で買った最初の銘柄が【カプコン(9697)】と【スクウェア・エニックス(9684)】だった。
ゲームが好きだった私は、ゲーム銘柄の中から2社を選んで購入してみた。
理由は単純なもので新作ゲームが出るから上がるだろう。という動機だった。
結果として、相場に助けられたのもあり3か月後に売りプラスで初陣を飾れたのだが、結局3か月も持っていた期間勉強することも無く、上がったり下がったりするのを眺めていた。
この当時、株数も100株と小さい範囲でしていたので、1割くらい下がっても「あ~2万位負けてるな、まあそのうち戻るだろう」という感覚しかなかった。
後にこの感覚が大きな失敗にも繋がるんだなと思いました。
中期売買から短期売買へ

初めて持ったゲーム株を手放し、資金も多少増えたので色々な銘柄に手を出したくなりました。
ここで私は幾つかの明らかなミスをしました。
知らない会社に手を出す

上場企業の中では知らない企業があって当然のことです。
今ではその企業がどんなことをしているのか。どのような物を販売しているのかとか調べるようになりましたが、当初は見れもしないチャートを軽く見て買うという事をしてました。
いかにリスキーなことをしていたのだろうかと思うほど、危ないことをしていたんじゃなかと思います。
名前も聞いたことがない会社を買って、下がっていくのを見て後からどんな会社か調べてみると、赤字会社だったとか、ニュースに取り上げられ下がった後だったとかという事もありました。
人気のない企業に手を出す

お恥ずかしい話、私自身出来高なんてこの頃ほぼ見てませんでした。
気配も見てませんでした。
過疎だろうが、なんだろうが、行ける!!と思ったらとりあえず買ってみるという、今考えると本当に怖いことをしていました。笑
案の定、成り行きで買いに入れた時に現在値と買値の差に飛び驚いたこともありました。結果、損失の拡大もそうですし、売りたいときに売れないということもしてました。
集中投資に手を出す

ちょうどカプコンとスクエニを売り終わった後、買った銘柄が【Klab(3656)】だったのだが、もっている資金を全て投資したのを覚えている。
強運だったのかビギナーズラックだったのか、買って数分で持ち株はドンドンとプラスになっていった。
資金の全額を投資していたため、カプコンやスクエニの頃とは違い、投資金額の多さや株数の多さから一気に資産は増えていった。
ある程度上がった時点で売ったのだが、甘い汁吸ってしまったのでこの集中投資が後に足を引っ張ることとなった。
次に手を出したのが、【日本一ソフトウェア(3851)】だった。
「今のゲーム株の相場なら負けない!!」という謎の自信。昔の私に会えるなら言ってやりたい「その自信どこから来るんだよ….」とぶん殴りたいくらいだ。
この頃忘れもしない、二月の決算発表日。
儲けた資産の全額をこのゲーム会社に突っ込んでいた私は決算発表の翌日、初めて株の恐ろしさを知ることとなった。
決算発表で減益発表をした日本一は翌日、値段が付かない特別売り気配になってしまった。買値から遥かに下へ向かい、ちょうど前場の終わる前値段が付いた頃には15%位の損失を出していた。
だがそれだけでは済まなかった。
損切りに踏み出さない

損はドンドン増えて行き、正直なとこ損切りという概念が私自身の中でなかった時期でもあった。
チャートを見ると右肩下がりに落ちていく毎日。
きっと戻るだろう….というなんの根拠もない理由で持ち続ける毎日。
あの値段が寄った午前中に売っていればと何度も何度も思い、握りしめた。
あまりにも下げが酷いのでついに-25%で売りに入り、今まで儲けた分が一気に無くなってしまった。
根拠なき自信と損切り貧乏

私は能天気なのか….
「これだけ損するんだから、これだけ利益を出すことも可能なんだ!」というどこから出てくるか分からない自信。
この時に初めて【損切り】という言葉を知り「なんだ、2%で損切り全てすればいいんだな!」という浅はかすぎる考えのもとやった結果。
購入→損切り 購入→損切り 購入→損切り 購入→損切り 購入→損切り
の嵐とも言える結果が起きてしまった。
そう、損切り貧乏だった。
気付けば、ド短期とも言えるほど短期決戦するようになり簡単に負けるようになり、デイトレのやり方ばかり検索していた。
地獄から一転

上手くいかない日が続き、何を買っても負ける日が続いた。
勝率なんて2勝8敗くらいのレベルとなり、完全に迷走していた。
この時、ネットで『株 勝つ方法』や『株 億り人』という検索ワードばかり調べては自分に何が足りないのかばかり調べていた。
ある日、【将来性のある企業を買え】という言葉を見つけた。
ちょうど、IPS細胞が発見されたあとでバイオ関連銘柄は上昇し終わった後だった私は、再生医療で何か伸びしろのある会社を探していた。
その時出会った会社が【アンジェス(4563)】だった。バイオ銘柄で何が良いのか分からなかった私は、その会社がどこの大学と共同で開発しているかだけで判断した結果、森下竜一さんという大阪大学 医学部助教授 が研究しているバイオベンチャー企業を見つけた。
私は直観で「これだ!!」と思い。残りの資金をこの会社に投資した。
幸運なことに、購入後1日で『重症虚血肢向けHGF遺伝子治療薬の承認申請を行う可能性あり』というまさかのニュースが出た。
こんなことがあるのかと思いながら、持ち株は連日ストップ高を付けただただ上がり続けて行った。
まさに奇跡とも思える日が続いた。
それはそのはずだ、日本初の遺伝子治療薬のニュースは瞬く間に250円だった株価が700円すらも超えていった。
負けは帳消しになり、心の余裕すらも感じた。
そして、私は承認まで持つことを決意した。この判断は今でも正しいのか分からないが、夢を握りしめている気分になった。
再出発、しかし….

私は今まで松井証券を使っていたのだが、SBI証券にも口座をつくり。改めてお金を増やすことを決意した。
松井証券のアンジェスは長期的に持つと考え、SBI証券のほうではスイングトレードで頑張ろうという、また浅はかな考えの元始めた。
ここまで読まれた方なら分かるだろう、私は何も変わってなかった。
ビギナーズラックで勝っただけでまともに成長なんかしていなかった。
1週間もしたら、私の資金は案の定減っていった。
そして、事件は起きた。
資金は徐々に減っていき、私は「勝っている銘柄なら、負けることはない。」と思い、【アンジェス (4563)】 を購入した。
その頃、アンジェスは随分と高値を付けていて、いわゆるイナゴタワーが完成される直前だった。
そして、イナゴタワーは崩壊した。
再び絶望へ….

松井証券のアンジェス、SBI証券のアンジェス。
まさに最悪な結末となった。
高値を付けた銘柄は一気に売りに転じ、最初買っていた分の利益は縮小し、追加で買った分は見るも無惨な損を作ってしまった。
毎日、吐き気に襲われ。
株価が気になって動けない。
布団の中から出れない。
ご飯すら食べれない。
このままでは、本当にダメになる。唯一の救いは信用取引に手を出していないことだった。
その時出会った格言がジョージ・ソロスの言った格言を目にしたのだ。
『まずは生き残れ!儲けるのはそれからだ!』
何か、身体の力が抜け。SBI証券のアンジェスの損切りを決意した。
この損切りがあったから今があるのだと私は常に思っている。
この時私は、自分に何が足りないのか悟った。
勉強をしなければ勝てない

この世の中、株で成功を収めてる人はいる。
自分に何が足りないのか。一目瞭然だった。
勉強だ。
そこから私は、出来ないなりに勉強をしていった。数字が大嫌いだった、私は会社の業績なんて見ても無理だと思っていた。自分よりも数字の得意な人間に勝負を挑んでも、間違いなく負ける。
デイトレ、短期トレード、自分より瞬発力・判断力のある人に勝負を挑んでも勝てるか?いや絶対に勝てない。
ならば、まず数字の面では最低限の基本の勉強をしてテクニカル分析で勝負していこうと思い、毎日のようにチャートを見るようになった。
資金管理と分散投資

私自身ここまで何故負けたのかを振り返った。
ほとんど大きく負けたパターンが集中投資で負けていたのは自分でも理解していた。ならば投資金額をすべて同じ金額に分散することにした。
自分にはホームランは打てない。一発逆転なんてそういうタイプでもないし、負ければ落ち込む。
ならば投資金額を一定にすれば、負けた時の負担も少なくなる。
私は決して優秀な投資家ではない。ただの弱小トレーダーなのだと言い聞かせ、リスク回避に徹底した。
チャートの見方

真っ先にやったのは陽線と陰線の見方だった。
結果から言うと、この時のチャートの見方は初歩の初歩にしかすぎなく、今の私から見たら「甘すぎた」の一言。
ローソク足がどういうものなのか。とか様々な陽線と陰線の組み合わせや、下髭、上髭を理解する勉強を続けていた。
さらに、5日線や25日線など初心者のような勉強を繰り返し、上辺だけの知識をひたすら増やしていった。
この頃、凄く参考になっていたのはCISという投資家が残した名言などひたすら読みまくっていた。
先日も本を出していたのだが、こういう投資家がいるという事だけは伝えときたい。
業種と人気銘柄と出来高

どこに資金が集まっているのかとか、どこが人気銘柄なのかという勉強も常にしていたのは覚えている。
前に買った時みたく、売りたいときに売れず、買いたいときに買えないというリスクのあることはもう懲り懲りだった。
さらにどの業種の値動きが激しく、どういう業種の値動きが少ないなど、スクリーニングをしながらただただ勉強した。
損切りの徹底

なにしろダメなものは手放す。
損切り貧乏だろうが、持ち続けて大きな一撃を浴びるのはごめんだ!という感覚だった。
私自身の勝率を考えて損切り幅と、利益幅の取り返せるラインを探して続けていった。
投資家の神王リョウさんがやっているスパイダー投資法のようなことを元にこの頃は忠実にやっていった。
上辺だけの勉強は過信にしかすぎない

短期間で勉強をした結果だった。
さらに相場も悪くなり、なんど辞めようかと思った。
買えば下がる、売れば上がる。よく聞くやつだ。
テクニカル分析、チャート分析の甘さが露呈してしまった。今以上の勉強が必要だと痛感した。
稼いでる投資家は口を揃えて言うことは、勉強をすることだ。
何故、負けるのか。
単なる知識不足にしか過ぎないのは目に見えて分かっていた。
そこで私はゆっくりと考える事とした。資金がある以上自分はまだ相場の中で生き残っている、ならばチャンスはまだある。
勉強をすればする以上人並みに並ぶ事は可能だと。
諦めたくなかった。根性や前向きに生きていけた、この精神論は親に本当に感謝している。それから自分に足りない知識を必死に補う努力を続けていった。
チャート分析の強化

この時何故負けていくのか、なぜ買っても下がるのか、まだまだチャートを使い切れていないのではないかと勉強をし続けた。
その時に出会ったのがオシレーターだった。
元からチャートがぐちゃぐちゃにならないように、そういう線を表示させなかった私は、特に2つのものに注視して勉強をした。
RSIとストキャスティクス

買われすぎ判断と売られすぎ判断だ。
これ判断で買うことは今では少なくなったが、当時は鬼に金棒くらいの勢いで勉強をした。
特にRSIが20以下になった銘柄や、ストキャスティクスが10以下になった銘柄のRSIとストキャスティクスを組み合わせてただひたすら色々な企業を見比べて買っていったりした。
短期的なとこでは反発などは見込めた。
しかし結局なとこ下がり続けてる銘柄には変わりなかった。
持ち続け、マイナスになることも多々あり、昔みたいな大損は少なくはなったが決して上に反発することは見込めない部分もあった。
やっていくうちにあくまでも参考程度の数値でもあるのは歴然だった。
ただ、負けながらも、いや負けてたのだが、内容の良い負けだったと今思えば実感している。負けには変わりない、負けてるのだからやり方が間違っていたのは分かっているが、昔のような上っ面の判断しか出来なかった自分からしたら凄くいい内容の負けだと思った。
大きな転機

以前負けが続いていた私は、自分の投資スタイルを見直す事が必要だと思っていた。
中期トレードから短期トレードになってしまっていた私は、資金効率ばかりを気にしていたためチャートの見方が日足でしか見れてなかった。
そんな時、本業の仕事が忙しくなり、今のやり方は自分の生活に合わなくなっているんじゃないとかも考えるようになった。
もっとしっかり長い目で見る部分を作らなければ、私には本業と両立は不可能ではないのだろうか思うようになっていた。
ただ性格上、長期のような1年2年という見方は絶対無理。待てない!!というのもあり、1日2日しか保有期間を辞め、1週間~1か月程度で見るようになった。
その時、あることに気付いたのだった。
「本当に初心者だったなぁ….」という実感もかなりあった出来事だった。
投資スタイルの確立

私は最初の方でも語ったように、デイトレには結局向かない。中期的な見方を出来るようにならないといけなかった。
私の勝率も含めて一気に変化のあった出来事が今から話す3つのことだった。
日足チャートから週足チャートへシフトチェンジ

これが一番大きかったのかもしれない。
短期的な見方しか出来なかった私は、週足を見た時やって少し理解が出来たと思えた。
週足が右肩下がりしている状況で日足が右肩上がりしても、中期的に見ると右肩下がりになっていくという事だ。
超短期的に見ればプラスになるのかもしれないが、売り時を失えば株価は下がり塩漬け状態になってしまうという事。
結局今まで買っていた銘柄を見た時、週足が右肩下がりになっている銘柄ばかりに手をだして、持てば持つほど下に行く確率が高い株ばかりを握りしめていたのは一目瞭然であった。
週足で上がっている銘柄でない限り、買う銘柄に入れない事を決めたのだった。
一目均衡表

一目均衡表という言葉は聞いた事はあったのだがイマイチ勉強する気にもなっていなかった。….こういうとこが駄目だったんだけどな。
チャートが雲の通りに値動きしているのは理解出来た。
さらに、雲の下にいるときは手を出さないようになった。というのも雲が下に向かっているときはチャート自体が下に行く確率が高いことも分かった。
底値が見えない状態でもある。
特に週足で雲の上や雲抜けをしない限りは買いに入れないという事の徹底をまもるようになった。
ポジションを持たない、そしてチャンスまで待つこと

上の事を守る為にも、条件が揃うまで待つという事を徹底した。
条件が揃っていれば、相場が下がっても強い銘柄は強いからだ。
今までは感情だけで買うことが多く、下がったから買う・上がったら売るという見方しか出来ていなかった。株の一番大事な事なのだが。
ある有名投資家は言っていた。
『 一つ言える事は上がる株を上がる時買う、これが全て。将来上がるから今は冴えないけどホールドするのはアホの骨頂です 』
この言葉の本質が見えた気がした。まだまだ理解できていない部分も多いが、3年前の私よりも理解できるようになったのではないだろうか。
3年間初心者が株取引をしたまとめ

今の私から、初心者で株を分からなかった頃を振り返ると、本当に甘い部分だらけであった。
でも、あの頃の失敗があったから今に繋がる部分が大きく占めている。
もし、株を始めた時、常に勝ち続けていたら私は絶対に成長出来なかったに違いないだろう。
高い授業料という人もいるがまさしくその通りだと私は思う。
知らず知らずにこの投資の世界の魅力に引き込まれ、勉強した成果を試せるこの世界はとても面白いと思う。
今でも毎日勉強し続けている。なぜなら私は弱小トレーダーだから。
勉強をし続ければ人並み、そしてそれ以上になれるときがきっと来ると思える。
いまは3年間の収支はプラスになったのだが、いつまた相場が崩れたりする時が来るかは分からない。私の見方が全く通用しなくなるかもしれない。
その日のために私は勉強し続けて行きたいと思う。